6.温を極める

<一般社団法人温熱療法協会の取り組み>

体温管理指導士の資格を発行している一般社団法人温熱療法協会は、「予防」と「療法」について以下のような考えや活動姿勢で臨んでいます。

「予防」については、検査を受けても病気と診断されないが健康ともいえない状態、この先病気になる可能性が高い状態、いわゆる「未病」の方々へ対応する活動を大切にしています。

「療法」については、現代医療と共存しながら相乗効果療法として、総合医療の併用を大切にしています。

予防と療法に対するアプローチは、協会名が示す通り「温熱療法」が基本となります。

温熱療法の普及により、病気になる人を未然に防ぎ、病気になってしまった人の早期回復の助けになれるよう体温管理のスペシャリストの養成に力を入れて活動しています。

温熱療法とは

温熱療法は、代謝と密接な関係にある血液、神経、気、リンパ、ホルモン等々の流れを正常な働きへと促し結果として副作用がなく免疫や治癒力が高まるなどが実証されている優れた療法です。

残念なことに、温熱療法は西洋医学を至上とする医療の歴史の中でとかく軽視されてきましたが、近年、温熱療法は医療のみならず美容分野においても数多くの効果が認められるなど、現在、多方面から関心が寄せられ注文されています。

【Point】温熱療法

温熱療法による温熱効果は、最先端医療のみならず、整体院、接骨院などの治療院やリンパドレナージュ、ヘッドスパ、フットケアなどのサロンを通して健康・美容の現場にもちいられています。

このような各治療院やサロンには、疲労回復・肩こり・腰痛・膝痛などの辛い症状や、肌のハリやくすみのケアなどの美容効果を求めて多くの方が通っています。

その際の施術も多種多様な技術を用いて、その悩みの解消に努めていると思います。マッサージのように揉んだり、ストレッチのように伸ばしたり、関節の動きをつけるようにしたり、リンパ液を流すように促したりと。

そのすべてに意味があり効果があると思いますが、その行き着く先は、血流を改善し、代謝を活性化し、免疫力の向上をはかることではないでしょうか。

そうです、温熱療法がカラダにもたらす効果もまさにそのサイクルです。このように、治療院やサロンの施術と温熱療法はとても相性が良く、相乗効果が期待できます。

もし、あなたもカラダの不調を改善すべく治療院やサロンに通うことがありましたら、ぜひとも上手に温めてくれる治療院やサロンをお選びください。

家庭でできる温熱療法の普及活動

一般社団法人温熱療法協会では、温熱療法の普及に努めています。

温熱療法はガンや生活習慣病などの予防に効果があり、この効果が認められると当協会が認定した商品の認定をおこない、社)温熱療法協会認定マークを発行しています。

【Pick Up】体温管理指導士がいる温熱サロンの普及活動


一般社団法人温熱療法協会では、温熱療法の効果を生かし、人々の美容や健康に貢献する温熱サロンの普及のため「温熱ボディケアアドバイザー」「温熱ボディケアセラピスト」「温熱ボディケアマスター」の資格認定も行っています。

温めることを推奨する医師たちの紹介

一般社団法人温熱療法協会では、各専門分野においても温熱療法との併用を推奨している先生方に協会顧問としてサポートしていただいています。

中村 健二  社)がん治療設計の窓口 事務局長
慶応大学医学部卒業
米国イエール大学医学部大学院で公衆衛生学修士号、慶応大学で医学博士号を取得。厚生労働省で障碍者施策や医療保険制度に関わる。
平成26年4月、一般社団法人がん治療設計の窓口の設立にともない事務局長に就任。
宮島 賢也 YSこころのクリニック院長
防衛各大学校卒、精神科医
自分の「うつ」で7年服薬した経験から薬では治らないと気づき、医師以外の方から多くを学び、食生活や人間関係、潜在意識や考え方を変えることの大切さを学ぶ。自分で悩みを解決できるお手伝いをするメンタルセラミックヒーターを開発。
宗像 久男 銀座JICクリニツク院長
長崎大学医学部卒業
カラダの栄養面から根本的な治療をすることを推奨。特に、アメリカのマックス・ゲルソン博士が開発したゲルソン療法という食事療法に着目した治療を広める活動をしている。

温熱療法とガン治療

今や2人に1人がガンと診断され、3人に1人が亡くなっている時代です。そのため、国民病といっても差支えない病がガンです。

これまでのガン治療は主に「外科的手術」「抗がん剤」「放射線治療」の3つの治療方法がメインでした。手術は身体への負担が大きく、抗がん剤や放射線治療は正常な細胞を壊してしまうので、副作用のリスクがあります。

そこで、手術や薬に頼らない代替治療が注目されています。その中でも温熱療法への期待が高まっていますが、それはガン細胞が熱に弱いということが解ったからです。

温熱療法は副作用のない、ガン治療のひとつとして広がりをみせています。

なぜ?ガン細胞は熱に弱いのか

ヒトの細胞は42.5(43)℃以上に温度があがると急速に死滅してしまうので、体温が41℃以上に上がることはありません。

そこで、ガン治療での温熱利用法はこの原理を利用してガン細胞の温度だけを選択的に上昇させて、ガンを死滅させてしまおうと考案された治療法がガン治療における温熱療法でハイパーサーミアともいわれます。

そもそもガン細胞がなぜ熱に弱いのかというと、ガン細胞は温度が上がっても血流がほとんど増えないため、熱を逃がす仕組みが弱いからです。

ですが、温熱療法で体内の温度を上げてしまうと正常な細胞組織まで壊してしまい、抗がん剤などのように副作用が起こるのでは、と思う方もいるかもしれません。

ですが、正常な細胞組織はガン細胞のように温められても、血管が拡張して血液がたくさん流れることによって熱を運び去ってくれるので、そこまで高温にはならないのです。

逆にガン細胞は、正常細胞のように高温に耐えられず、42.5℃以上の温度で死滅します。

ガン予防にも温熱療法を

ヒトのカラダには約60兆個の細胞があり、それぞれの細胞が生まれてから何度も分裂を繰り返し、全体の調和を保ちながら新陳代謝を繰り返しています。

ですが、その途中で遺伝子がカラダの内外からストレスなどで傷ついたり、遺伝子のコピーミスで異常な細胞が生まれてしまい、やがてガン細胞となってしまいます。

誰にでも毎日、何千何万と起きている現象で、通常は以上をきたした細胞はすぐに免疫に退治されることで、カラダの秩序が保たれています。

このようにガンは親からの遺伝などではなく、誰にでも起こる病気です。ですから、ガンにならないような生活を普段から送ることが大切です。

その一つが温熱療法です。異常な細胞をやっつける免疫ですが、体温が1℃低下すると免疫力は30%以上低下するといわれていることからもカラダを温めることが健康生活の基本だといえます。

ハイパーサーミアのように専門の病院などで治療をうけることは予防の段階では難しいです。そこで私たち社)温熱療法協会は、家庭用温熱療法機器を薦めています。

ガンになりやすい人の3つの特徴

ガンの原因としてよく挙げられるのが、食生活の欧米化(高カロリー・高脂肪・高塩分・低食物繊維など)や運動不足、肥満、精神的ストレスがあります。

このひとからも分るに、ガンは生活習慣病ともいえます。生活習慣病だからこそ、普段の生活を意識すれば、しっかりと予防に繋がります。

そこで、ガンになりやすい人の3つの特徴を覚えてください。

  • 低体温・・・ガン細胞は35℃で一番増え、39.3℃になると死滅すると書いてある本もあります。
  • 低酸素・・・やはり様々な病気同様にガンも低酸素状態、いわゆるストレスの多い人はなりやすいです。
  • 高血糖・・・食生活の欧米化に代表される栄養過多で起こる高血糖もガン予防の大敵です。

寝たきりや薬に頼らなくてはいけないなど、健康とはいえない状態で長生きをしていても意味がないですよね。年齢だけで判断した長寿ではなく、元気に長生きする健康寿命を大切にしたいものです。

ですから、カラダを温めるのももちろんのこと、リラックスした時間や正しい食生活を大切に暮らしていきたいですね。

ヒトが生きていくために必要な要素「ねみみにわさび」

ことわざで、突然、思いがけないことに出くわしたことを「寝耳に水」といいますが、社)温熱療法協会の顧問でもある宗像久男医師は、ヒトが生きていくために必要な要素を「ねみみにわさび」と表現しています。

「ねみみにわさび」8文字の頭文字にちなんだ8大要素をお伝えします。

どうですか、皆さんの生活に「熱、水、ミネラル、日光、笑い、酸素、ビタミン」は足りていますか?

本当に健康に暮らしていくためには、しっかり温めて(熱・日光)水分補給に気を付けて(水)正しい食事をして(ミネラル・ビタミン)楽しくストレスフリー(笑い・酸素)に生きていくことが必要ですね。

体温管理指導士として、右図の三角形を意識した生活を送ってください。